PDCAサイクルは,計画(P) ・実行(D)・検証(C) ・修正(A)のサイクルであるが,構成要素の階層レベル・進捗プロセスの場面でPDCAサイクルを回しながら推進する。この方式は広く一般に使われているので、認識している読者も多いと思う。
計画(Plan)はマンダラ内に表示されているが,実行(Do)は表示されていない。ここでは、マインドウェア, ヒューマンウェア,コミュニケーションウェア,ソフトウェア, ハードウェアの5つの構成要素を実行することを意味している。
QCTは成功要因となる
Q(品質)・C(コスト)・T(時間・納期)は経営革新の成功要因となるもので,このプロジェクトが成功したか否かに使われる指標である。
経営革新品質を阻害する3つのギャップ
経営革新を進める場合には,IT導入を伴うことも少なくない。その場合,経営戦略策定(IT系では情報戦略策定)で決めたことが、経営改革企画(経営革新計画申請・承認),経営改革制約条件の克服,経営改革の実行、経営改革の運用へと進むに従って、3つのギャップが発生することで、当初とは異なった方向に行くことが懸念される。この3つのギャップを克服できるか否かが、経営革新の成否を分ける結果となる。
① 経営系とIT系のギャップがないか
経営革新は、今やIT抜きには考えられない。その場合,経営改革とIT改革が別々に行われると、経営系とIT系のギャップが生じる。ギャップが生じれば経営革新効果は当然落ちることになる。それらを防ぐ手法が導入されているかが,デューデリジェンス(以下DDと
表す)のチェックポイントになる。これらを防止するためにミーコッシュ式では、ミキサー方式で5つのウェアを混ぜながら回転させることによって解決する仕組みにしている
② 経営革新プロセス間のギャップがないか
経営戦略策定(IT系では情報戦略策定,以下同じ),経営改革企画(戦略情報化企画),経営改革制約条件の克服(情報化資源調達),経営改革実行(情報システム開発・テスト・導入),経営改革の運用(運用・デリバリー)へと、プロセスが進むごとに,当初の経営戦略策定の思い入れが薄れていく可能性がある。その場合,どのようにして、経営戦略策定を現実のものにできるかがポイントとなる。それを解決するために、トンネル掘削のシールド工法のように,経営系(ビジネスインテグレーション)とIT系(システムインテグレーション)を回しながら、同時に5つの刃(5つのウェア)を回転させながら進めるがごとくやるのがミーコッシュ式である。これは、プロセスはあるがシームレスの状態で各プロセスが同時並行的にオーバーラップしながら進むことになるので、プロセス間のギャップが生じず経営革新の効果が高まる。
③ 組織トップとロワー間のギャップはないか
経営革新における組織トップの狙いが、ミドル, ロワーへとブレイクダウンしていくうちにギャップが生じることはないであろうか。特に経営革新には,IT系が絡まないと実現しない場合も多い。そのような場合において、トップの期待していた経営革新の思惑とは離れブレイクダウンするに従い、現場の人の要求は現状維持型の要求になりやすい。人間は保守的で変化を嫌いがちだが、そのようなことを放置しておけば、経営革新が効果のあるものにはなりえないのは火を見るより明らかである。