「戦略」不在がもたらす中小企業の低い「稼ぐ力」

◎「戦略」がない会社は「目標」を達成できない

「経営計画」に必要な、業績への影響力が大きいにもかかわらず中小企業が不得手とするのが「戦略」です。ここで、もう一度「戦略」について確認をしておきましょう。

「戦略」とは、「1~3年先の業績目標をもっとも効果的に達成するための『打ち手』」

いいかえると、会社が目指す「ビジョン」を実現するためにこれから何をするのか、どう動くのかを具体的に定めたものが「戦略」です。そうであれば、本来「戦略」は会社になくてはならないものであるはずです。ところが、中小企業でこの「戦略」を明確に文章化しているところは、ほとんどありません。

一方、「(業績・数値) 目標」は、多くの会社で決められています。そうすると、どのようなことが起こるでしょうか。

このような会社でよく見られるのが、目標が達成できなかった社員に対し、「なぜ目標が達成できないんだ」と詰め寄る社長やリーダーの姿です。 原因や課題を共有して、指導やアドバイスを行うなどすればよいのですが、ただただ結果だけを求めます。これでは、数値目標だけ示してあとは社員に全てお任せと言っているのと変わりません。

目標の達成度がバラついてしまいますし、営業マンの成長にもつながりません。結果として、会社の目標達成は、営業マンの力量次第ということになってしまいます。

◎大企業と中小企業の「稼ぐ力」

「戦略」の有無と密接にかかわってくるのが「稼ぐ力」すなわち、労働生産性です。

政府は「働き方改革」を推進するために、人づくり革命担当大臣までつくり、人材力の強化と生産性の向上に取り組んでいます。企業の「稼ぐ力」は、まさに国を挙げて取り組む緊急かつ主要な課題と言えるでしょう。

2016年の中小企業白書で、 「中小企業の生産性分析」が報告されています。

中小企業の労働生産性の平均はすべての業種で大企業を下回っており、全体では一人当たり約479万円。大企業は約913万円。その差は実

に約1.9倍の開きが生じています。

ただし、どの業種でも同業種の大企業平均を超える生産性を有する中小企業がおよそ1~3割存在し、その要因が設備、IT化、人材への積極的な投資であると白書は結論づけています。

まさに、将来の成長のための投資活動がこの差につながっているということでしょう。この“成長・発展のための投資計画〟が「経営計画」であり、何にどれだけ投資していくのかを具体的に決めるのが「戦略」です。

「戦略」がなく、社員任せになっている中小企業の組織運営の実態が、労働生産性の低さに大きく影響を及ぼしていることは、疑いようのない事実です。日本の労働人口の約7割が中小企業で働いています。中小企業が自ら「戦略的経営」に取り組むことで、日本全体の生産性を押し上げ、付加価値を高める原動力となります。

「経営計画」づくりや「戦略」の推進は間違いなく、あなたの会社の「稼ぐ力」を高めるのです。

◎「戦略」がある会社、ない会社とでは何が違うか

そうはいっても、本書をお読みのあなたは、まず自分の会社や部署、チームの生産性、「稼ぐ力」をどうやって高めるかがいちばんの関心事でしょう。

下記の図をご覧ください。

A社は、“目標はあるが達成に向けたプロセスは社員任せの会社、B社は、“目標があり達成するための「戦略」を明確にしたうえで全社員に示し、行動させることができている会社〟です。

それぞれの組織の状態が、社員の“意識”と“行動”にどう影響し、その結果、“成果”にどのような差が出てくるかを考えてみましょう。

まず、“意識”ですが、両社とも目標は明らかになっているので、「目標を達成しなければならない」という意識はあります。ここでは明確な差は生まれません。後ほど明らかにしますが、A社の方が成果を上げられないため、社長や幹部が社員にはっぱをかけることで、結果として「目標を達成をしなければ」という意識が強くなる場合もあるかもしれません。

一方、“行動”に関しては大きな差が生まれます。

“社員任せの会社”は、それぞれの社員が自分で考えて動くのでどうしても方向がバラバラになってしまいます。また、「戦略」によって方向性が示されていないので、どうしても目の前の自分の仕事しか見ずにまわりに意識がいきません。 そして、個々が「ああでもない、こうでもない」と自分勝手に動いてしまうため、力が分散されてしまいます。

「戦略」が明確な会社は、同じ「戦略」にそって全員が動くので全社員のベクトルがそろいます。また、「戦略」にもとづいて自ら考え動こうとしますから、工夫や新しいアイデアが生まれたりします。

そして、目標達成に活かそうとお互いの情報を交換したり、成功・失敗事例の共有をしようとします。

いかがでしょうか。その差は歴然だと思います。どちらが目標を達成しやすいか、どちらが組織全体の生産性が高いか、説明するまでもないでしょう。

さて、あなたの会社はA社でしょうか? それともB社でしょうか?

A社に近いという方も心配は無用です。これから一緒にB社になれるよう取り組んでいきましょう。

◎「戦略」はつくる必要はない

「『戦略』が必要なのはわかった。しかし、これまで「戦略」について学んだこともないし、推進管理なんてやってことがない。目標が達成できる「戦略」なんてつくれるはずがない」ご安心ください。 「戦略」をつくる必要はありません。

なぜなら、あなたの会社の「戦略」 は、 すでに完成しているからです。 次の記事からご紹介する「戦略」を実行さえしていただければ、あなたの会社の生産性は必ずアップします。

「共通の戦略」と「選択すればいい戦略」のすべてをご紹介します。

これによって、あなたの会社に必要な「戦略」の30%~100%をカバーできるというわけです。

あとは、あなたにたった一つの力が備わっていれば会社の業績向上は間違いないでしょう。

その力とは、「実行力」です。

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