(2)営業戦略

戦略③営業プロセスの標準化

「営業プロセスの標準化」は主に新規顧客開拓で効率よく成果を上げるための取組みです。たとえば、
・ステップ1=イベントへの集客
・ステップ2=アンケート記入
・ステップ3=お礼状の送付
・ステップ4=電話による訪問 (来社) 面談アポイント
・ステップ5=初回面談−ニーズ、競合状況などの把握
・ステップ6=2回目面談−プラン、見積もりの提案
・ステップ7=クロージング訪問

といった契約や顧客化に至るまでのプロセスを明確にします。
「営業プロセス」は、これにそって全営業マンを指導、育成していくためのものです。 経営幹部はもちろん、優秀な営業マンにも意見を出してもらいながら、自社のベストなプロセスを検討し、作成してください。
ここで得られるメリットは三つあります。

①営業マンの成長が加速する (成約率アップ)
②リーダーの育成力が向上する
③プロセスごとの見込客数が把握でき、業績予想の精度が向上する

まず営業マンごとにどのプロセスが得意でどこが不得手なのかが明確になるため、弱いプロセスを集中的に指導することができ、それによって営業マンの成長スピードが速まります。
部下の弱点をリーダーが把握したうえで必要なポイントを個別に指導できるため、リーダーの育成力向上にもつながります。
さらに、会社全体で取り組むことで、現在各ステップに何人の見込客がいるかが把握できるため、進捗状況を管理でき、受注までのスピード化と業績を予測する精度が高まります。このとき、「営業プロセス」の途中で脱落してしまう、すなわち競合で契約する以外の何らかの理由で次のステップに進めなくなった顧客も出てきます。その場合は「脱落客」として管理し、定期的にアプローチすることで将来の契約につなぐチャンスをうかがいます。
このように「営業プロセスの標準化」に取り組むことで、人材を成長させ、会社全体の業績を合理的かつ効率的に向上させることができるのです。
店舗形態や既存客へのリピートが中心の会社は「営業プロセス」としては考えにくいかもしれません。 しかし、店舗であれば、顧客の来店から購入に至るまでの理想の行動、既存客への対応が中心の会社では取引拡大の理想のステップなどを明確にすることで、人材育成への活用が可能です。

戦略④営業ツールの整備

「営業プロセスの標準化」が整ったら、「営業ツールの整備」に取り組んでください。 中小企業で営業ツールの現状を見たとき、最低限必要なものがそろっていなかったり、個人でバラバラなものを使っていたり、古い情報が掲載されたものがそのまま使われていたりするケースが少なくありません。
「営業ツール」とは、次のような営業活動上で顧客に提示するすべての資料やデータを指します。
・会社案内
・商品・サービスのパンフレット
・顧客への企画、プレゼン資料
・顧客へのアプローチブック
・お客様の声集 など

本来ならば、会社の考え方や強み、商品・サービスへのこだわりやメリットなどを見込客や取引先に伝えたり、採用活動で有効活用できるものでなければなりません。
ところが、これを“営業マン任せ”にしてしまったり、よりよいツールの企画や内容構成を考えるの
が面倒で後回しにしている中小企業が数多く見られます。 こうなると、その会社が伝えるべきものが伝わらなかったり、誤解されてしまったりすることが起こりがちです。ですから、営業ツールは全社で統一のものを作成して活用方法や活用の相手、タイミングなども決めておく必要があるのです。
営業ツールを考えるときには、営業プロセスに沿って、どんなものが必要かを考えていくと内容から活用方法まで具体的にイメージすることができます。
たとえば、「ステップ5=初回面談――ニーズ、競合状況などの把握」で活用する資料として、「会社案内」「過去の実績事例集」「商品案内」の3種類を作成することになったとします。そうすると、初回の面談で顧客に「会社概要」「自社の経営理念と社会的使命とその貢献実績」「社長の思い」「顧客の生の声」「自社商品の特徴とこだわり」「競合他社とは違う独自のアフターサービス」を理解してもらうためには、どのような内容、構成にすればよいかというように考えていくのです。

このように営業ツールを整備、活用することで、

①会社が伝えたい内容が顧客に伝わる
②直接会わなくても営業ツールを通じて営業ができる
③営業マンのスキルアップにつながる

この三つの成果が期待できるのです。

戦略 ⑤ 販促・プロモーションの推進

会社全体の取組みとして、計画的に販促やプロモーションの推進を行っている中小企業は多くありません。しかし、この販促・プロモーションも計画的に行い、PDCAをきちんとまわしていけば大きな成果につながります。ぜひ実践していただきたい「戦略」の一つです。
販促・プロモーションに関する「戦略」を実行するポイントは三つあります。一つ目は、年間計画を作成すること。二つ目は、効果測定をきちんと行うこと。そして三つ目は、新たなチャネル (販促ルート)を開拓し続けることです。
まず、販促・プロモーションを行う場合は1年間、あるいは少なくとも当該年度末までのスケジュールを作成し、予算を決めて推進しましょう。 また、このとき予算が売上や粗利益の何パーセントにあたるのかも計測しておき、来期以降の販促・プロモーションの予算枠の目安としましょう。
中小企業でよく見られるのが、“場当たり的”な販促推進です。
「売上が落ちてきたから広告を出そう」 「新商品発売が決まったから販促も考えなければ」 「毎月1回折り込みチラシを出しているから継続しなければ」といった計画性がなく、その時々のみの販促であったり、過去からずっと継続してきたものをやめるのがこわいため、効果的な方法も模索せずにやり続けているといった実態が頻繁に見られます。
このようなやり方は効果がまったくないとはいいませんが、「戦略」をきちんと練って計画的に実施した方が高い効果が得られるのは目に見えて明らかです。

二つ目の効果測定についてもきちんと行えている中小企業に出会うのはまれです。 ここでいう効果測定とは販促・プロモーションの費用に対する効果です。
「費用」については、販促やプロモーションにいくらかけたかという数字で、「効果」とは販促やプロモーションを行うことによって得られる効果で、「売上」「販売数」「来客増加数」「問い合わせ数」「(イベントなどへの) 来場数」などの具体的な成果です。
業種や販促・プロモーションの内容によってはどの部分が成果なのかが把握しにくい場合もあるかもしれませんが、売上や顧客の「増加数」や「増加率」「前年対比」「前月対比」などの視点からデータを記録しておきましょう。 これを継続し、分析することによってどこを成果とすべきかが見えてくるはずです。

三つ目の、新たな販促ルートやプロモーションの方法の開拓についても継続的に行えている中小企業は多くありません。
これだけインターネットなどを通じた情報伝達スピードが速く、かつその方法も変化している時代です。あなたの会社を世の中にもっともっと広めるチャンスはたくさん転がっているはずです。
しかし、中小企業で販促・プロモーションを任せられる人材がいるところは少数です。また、専任者を新たに採用する余裕がある会社も多くないはずです。ですが、ご安心ください。専任者をつくる必要はありません。社長や幹部、そして外に出ている営業社員が情報収集をするところからスタートすれば十分です。
とりまとめや推進管理を行う人材については最初は社長か担当幹部を決めて管理しながら、実務を任せる人を一人決めて推進しましょう。私たちのクライアントでもこれで十分推進ができ、成果も上がっています。

>補助金のプロにお任せください。

補助金のプロにお任せください。

社会保険労務士事務所 行政書士事務所 労務コンサルティング株式会社 事業再構築補助金申請代行サービス!申請代行予約受付開始!無料相談お気軽にお問い合わせ下さい!

CTR IMG