アクションプラン運用サイクル

〈1〉PLAN(計画)=「アクションプラン策定」で成果までのストーリーを描く

「アクションプラン策定」では、「戦略・アクションプラン推進表」を作成します。
具体的には、次の五つのにしていきます。

1【アクションプラン】
「戦略」を実行、実現するために「何を」行うのかを決めます。一つの「戦略」に対して複数の「アクションプラン」が必要な場合もあります。

2 【成果指標】
「アクションプラン」を通じてどのような成果を目指すのか、数値で計測できるゴールを決めます。「金額」「比率(パーセンテージ)」 「時間」「件数」「個数」「人数」などを工夫して数値による指標を設定しましょう。

3 【推進手順】
「アクションプラン」を「どういう手順で」行っていくのかを具体的に決めます。 番号で手順のステップごとに箇条書きで明記します。この具体的な手順のなかに必ずPDCAのサイクルを入れる必要があります。

4【担当者・推進責任者】
「アクションプラン」の担当者として、「誰が」進めていくのかを決めます。 担当者が複数になる場合は、成果やスケジュールの遵守について責任を持つ「推進責任者」を一人置きます。

5 【推進スケジュール】
3【推進手順】を具体的なスケジュールに落とし込みます。 推進手順で挙げた番号の項目をそのままスケジュール表に転記し、継続して行うものは矢印などを使ってできるだけわかりやすく表記します。

これら5項目を社長とリーダーが一同に集まり、議論しながら決めていきます。ここでいうリーダーとは各部門の所属長レベルの人を指します。このとき、資料やデータのとりまとめや作成を行う担当者が必要です。リーダーが兼任してもよいのですが、「アクションプラン」の推進に集中できるよう、部門長ではない人から選んだ方がよいでしょう。
「アクションプラン策定」は、メンバーがそろったからといって、一度の会議ですべてが決まる内容とボリュームではありません。まずは、次のような手順で各メンバーの意見を集約、検討し、計画を決定、完成させます。

Ⅰ【アクションプランキックオフ】
「アクションプラン」の役割、目的の説明を行い、その重要性をしっかりメンバーで共有します。メンバーには「戦略・アクションプラン推進表」に「戦略」のみを記入したフォーマットを渡します。
【アクションプラン】~4【担当者・推進責任者】までの作成を宿題とします。

Ⅱ 【アクションプラン作成】
メンバーは、期日までに1【アクションプラン】~4【担当者・推進責任者】を作成し、とりまとめ担当者へ提出します。このとき、自分の関係する部門や仕事の分野のみではなく、すべての「戦略」に対して「アクションプラン案」を考え提案します。とりまとめ担当者は、各リーダーから出てきたものを次項の【アクションプラン検討会議①】の前に「アクションプラン推進スケジュール」として一つにまとめます。

Ⅲ 【アクションプラン検討会議】
「アクションプラン検討会議」を開催します。各メンバーから自分の提案した「アクションプラン案」の必要性や根拠を発表してもらいながら、全員で検討して 【アクションプラン】【成果指標】【推進手【担当者・推進責任者】を決定します。

Ⅳ 【推進スケジュール作成】
Ⅱで決まった 【担当者・推進責任者】が【進捗管理】の【推進スケジュール】欄にスケジュール案を作成し、期日までに提出します。 とりまとめ担当者は各担当者から出てきたものをまとめます。このとき、スケジュールの表示方法や書き方をできるだけ統一しておくとよいでしょう。

V 【アクションプラン検討会議②】
次に、【担当者・推進責任者】が作成したスケジュール案でよいのかどうかをメンバー全員で議論しながら検討、決定し、「戦略・アクションプラン推進表」を完成させます。

!成果につなげるポイント PLAN (計画)編

◎成果ポイント
アクションプラン作成時の成果につながるポイントは五つの項目のなかの【推進手順】です。ここに具体的な行動レベルの実践事項をP→D→C→Aサイクルとして盛り込みます。

◎チェックポイント
P(計画)がD(実行)につながるものになっているか、計画のステップを行ったのち、スムーズに実行に移せるような状態がつくれるかどうかをチェックしておきます。

〈2〉 DO (実践)=「アクションプラン実行、推進」でストーリーどおりに動かす難しさを知る

次に「アクションプラン」の実行です。アクションプラン担当者は、「推進スケジュール」にもとづいて、実行に着手してもらいます。
メンバー以外の社員に協力してもらわなければ進めることが難しいアクションプランも少なくありません。事前にどのような作業が必要で誰にやってもらうのかとか、新しいデータや情報を収集するためにどのような集め方をするのかとか、アクションプラン担当者が自ら考え、新しく着手しなければならないことがどんどん出てきます。

実は、こうしたことを担当者である部門のリーダーが経験することによって、戦略を実行・推進できる真のリーダーとして成長していくのです。

まず、部門長が部署に持ち帰って、「アクションプラン」の目的や必要性をきちんと説明できなければ、現場の部下は思いどおりに動いてくれません。また、理解はできても日々の業務に加えて新たな業務が発生するわけですから指示したとおりに動けない場合もあるでしょう。これらの問題を解決してスケジュールどおりに「アクションプラン」を推進するために現場をマネジメントし、とりまとめることを通じてリーダーは本物のマネジメント力を身につけていきます。

実行、進捗状況は、「アクションプラン推進レポート」を通じて次の「アクションプラン会議」開催前に【担当者・推進責任者】からとりまとめ担当者に報告します。

とりまとめ担当者は、「アクションプラン推進レポート」を 【進捗管理】の【実施】欄に転記、あるいは必要な場合は表現などを修正、 記入し、 まとめます。

!成果につなげるポイント DO (実行)編

◎成果ポイント
「アクションプラン」実行段階のポイントは現場でいかに実行を促すかです。どんな会社でも最初は予定より遅れがちになります。そうならないために、まずは全社員にアクションプランの存在と重要性を理解してもらうことが大切です。

◎チェックポイント
後述する「アクションプラン会議」とは別に「アクションプラン部門(店舗・チーム) ミーティング」を毎月1回以上行います。また、アクションプランを社員がいつも目にする場所に貼り出したり、アクションプランメンバーが日常の社員との会話のなかで「アクションプラン」という言葉を使ったり、実践事項を現場の仕事と結びつけて指導やアドバイスを行ったりして、意識づけ、浸透を図ります。

〈3〉CHECK (効果検証)=「アクションプラン会議」で定期的なチェックの重要性を学ぶ

「アクションプラン」の推進において、非常に重要な位置づけにあるのが、このCHECKのプロセスです。その理由は、「アクションプラン会議」という場を通じて、PDCAをまわすうえでもっとも重要な「CとAの準備」を行うからです。

「アクションプラン会議」では、まず次の事項を決めます。

【開催日時】
毎月1回の開催とします。 前月分の実践報告を「アクションプラン推進レポート」で提出し、まとめたうえで開催します。あまり遅いと対策が後手になるので、第1週から第2週に行うのがよいでしょう。 「第2週金曜日、16時~16時」というように決めておくのがベストです。

【会議開催要領(スケジュール)】
「アクションプラン会議」の進め方をあらかじめ決めておきます。 173ページに事例をご紹介していますので参考にしてみてください。

【参加者】
社長、幹部、各部門の所属長(メンバー)、事務局担当者が参加します。

【司会】
できれば、社長以外でいちばん会議の進め方がうまい人で固定しておいた方がよいでしょう。生産性の高い会議を運営できる人を選びましょう。

【議事録担当者】
とりまとめ担当者がいる場合は、本人が行います。いない場合は、いちばん簡潔かつ明瞭にわかりやすく議事録をまとめられる人を選任しましょう。

「アクションプラン会議」は次のとおりに進めてください。

1 【アクションプラン取組み状況報告 (推進責任者から)】
・「アクションプラン」の進捗状況、予定どおりに進んでいるかどうか
・データ収集や分析でわかったこと
・アクションプランの実行で得られた成果

2【アクションプラン討議】
司会は次のような視点でメンバーをうながしながら発言を引き出します。
・1の報告内容への質問や補足説明
・予定どおりに進められなかった「アクションプラン」に対するアドバイス、 他リーダー、他部署への協力要請
・成果が出なかったものに対するアドバイス、提案、他リーダー、他部署への協力要請

3 【アクションプランの記録】
・【実施】欄に「アクションプラン」 進捗報告とプラスの報告事項を記録
・【課題共有】欄に新たな決定事項や次回までの課題、状況共有すべき内容を記録
・課題に対する解決策や障害となっている原因を取り除くための対策、報告内容に対するアドバイスや必要な部署や人からの協力など

!成果につなげるポイント CHECK (効果検証)編

◎成果ポイント
「アクションプラン」の効果検証のポイントは報告だけに終わらせないことです。担当者から「予定どおりに進んでいます」と、無難な報告があると、司会はそのまま次のアクションプランへ進めがちです。しかし、そういう報告をする人ほど実は問題を抱えている場合が多いものです。

◎チェックポイント
そのようなことを避けるために、「アクションプラン推進レポート」を活用します。「アクションプラン推進レポート」には「気づき」「共有事項」「課題」という項目があります。各担当者に必ずここを記入して提出してもらうことと、とりまとめ担当者が【実施】欄にまとめた「各担当者からの報告内」を、司会者がアクションプラン会議の前に見ておくことです。

〈4〉ACTION (改善・見直し)=「アクションプラン改善」で仕事の質の向上の方法を学ぶ

「アクションプラン会議」での報告に対するアドバイスや意見をもとに、リーダーは新たな決定事項、実行内容の軌道修正、改善事項などを実行します。
ここでは、「アクションプラン会議」を通じて、最初の「DO (実行)」でスケジュールどおりにうまく進められなかった事項に対して、前ページのような解決策が得られているはずです。これを現場で実行します。

ここからは、〈3〉 CHECK (効果検証)と〈4〉ACTION (改善・見直し)を繰り返し行います。こうすることで、リーダーの「アクションプラン」の推進能力が必然的に上がり、徐々に成果につながっていきます。

リーダーのなかには最初は社長や幹部の指示のもと期日に追われながらなんとかこなしているという人も多くいるはずです。
これを、実際に成果が得られる状況になるまで徹底してやり抜く必要があります。
リーダーは、苦労しながら「アクションプラン」を推進し、成果を得ることを自ら体験することで、「アクションプラン」の重要度と面白みを実感するのです。この段階まできて初めて、リーダーは自ら「戦略」や「アクションプラン」を提案、推進しながら部門をマネジメントできる真の部門のリーダーとなれるのです。

!成果につなげるポイント ACTION (改善・見直し)編

◎成果ポイント
「アクションプラン」の改善・見直しのポイントは必ずプラスアルファを加えてみるという点です。 本来のPDCAサイクルは、この〈4〉 ACTION (改善・見直し)のプロセスで仕事の質をアップさせなければなりません。

そのためには、一気に進化、革新までできなくてもアクションプラン担当者が、「変えてみる」「加えてみる」「やめてみる」という視点で、何か一つでも違いをつくり、同じことの繰り返しにしないことがポイントです。

◎チェックポイント
「戦略・アクションプラン推進表」の「効果検証」の前後で変わっているかどうかを全アクションプランについてチェックしましょう。

>補助金のプロにお任せください。

補助金のプロにお任せください。

社会保険労務士事務所 行政書士事務所 労務コンサルティング株式会社 事業再構築補助金申請代行サービス!申請代行予約受付開始!無料相談お気軽にお問い合わせ下さい!

CTR IMG