〈1〉 PLAN(計画)=「個人アクションプラン策定」で「戦略」を推進する自らの役割を認識する
「個人アクションプラン策定」では、会社のアクションプランにもとづいて社員一人ひとりがどのようなことに取り組むのかを明確にします。
「個人アクションプラン」を記入し、進捗管理をしていくシートを「チャレンジシート」と言います。 個人レベルでは、適正な項目や内容を設定するのは難しいため、特に最初はアクションプラン会議のメンバーであるリーダーと一緒に作成するのがよいでしょう。作成する項目は次の三つです。
1【個人アクションプラン】
会社のアクションプランをもとに全社員が何に取り組めばよいかを「個人アクションプラン」として明確にします。会社や部門、店舗のアクションプランをさらに具体的な実行項目に分解し、自部門の部下の役割として割振り、これを「個人アクションプラン」とするとよいでしょう。
2 【成果指標】
会社のアクションプランと同じように「個人アクションプラン」に取り組むことでどのような成果を目指すのか、明確にします。 会社のアクションプランより数値化するのが難しいケースもありますが、できるだけ数値に落とし込んだ指標を設定しましょう。
3【推進手順】
ここも会社のアクションプランと基本的には同じです。手順を番号で推進ステップごとに箇条書きにして明記します。 ここに必ずPDCAのサイクルが入っていることがポイントです。
〈2〉 DO (実践)=「個人アクションプラン実行、推進」で業務のPDCAを学ぶ
推進手順にもとづいてアクションプランを実行してもらいます。最初は、〈1〉で計画したことがうまく実行できない場合もあるでしょう。しかし、こうして社員全員が考え、工夫することで高い成果が上げられるようになったり、業務の質が向上したりすることで、結果として社員の成長につながっていきます。
〈3〉CHECK (効果検証)=毎月の振り返りで自らチェックし、現状を把握する
「個人アクションプラン」についても毎月振り返りチェックを行います。まず本人が前月分を振り返って、「チャレンジシート」の「推進・達成状況」および「共有情報・改善点」の項目を作成します。 「推進・達成状況」については、推進手順どおりに進めることができているか、成果指標の達成度合いやその見込状況について記入します。 「共有情報・改善点」については、全社、部門で共有した方がよい情推進・達成状況をふまえて、より早く成果に近づけるための改善点を記入します。
記入後は上司に提出します。アドバイスや改善に早くつなげられるよう、提出期日は遅くても毎月5日くらいまでに設定した方がよいでしょう。
〈4〉ACTION (改善・見直し)〜「チャレンジ面談」で本人とリーダーも成長する
次に、「チャレンジシート」の「上司コメント」欄に上司がアドバイスを記入します。本人が作成した「推進・達成状況」や 「共有情報・改善点」に対して達成を支援したり、課題を解決できるようなアドバイスを記入するとよいでしょう。そのうえで本人と面談を行います。これが「チャレンジ面談」です。これもできるだけ本人の成果につながるようにしたいので、部下の提出後、3日以内程度で行うのがよいでしょう。
「チャレンジ面談」は次のような手順ですすめます。
1【各個人アクションプランの成果指標の確認】
↓
2 【本人から「個人アクションプラン」の取組み状況、課題などを報告してもらう】
↓
3【上司から推進支援のアドバイスを行う】
面談を行ううえでのポイントをご紹介しましょう。
・責めたり、問いただしたりしない
成果指標を達成できていない、あるいは推進手順どおりにすすんでいないことを責めないように注意しましょう。 「個人アクションプラン」への取組みはあくまでも本人の成長が目的です。 特に導入初期の段階では予定どおりにできなくて当たり前、と考え部下と接するようにしましょう。
・部下の自主性を引き出す
成果を出すのは大事です。しかし、成果ばかりに目がいきすぎてしまっては「結果が出るようにとにかくがんばれ」という根性論的な励ましで面談が終わってしまう場合があります。
面談は「推進手順を予定どおりに進めることができているか」、「進められていない原因は何なのか」という2点に焦点をあてて、本人に報告させる形式で進めましょう。
・15分以内で終える
面談の内容は「個人アクションプラン」と個人の成長目標である「チャレンジ目標」の3~5項目のみに絞りましょう。 面談は、毎月部下全員と行わなければなりません。一人の部下に時間がかかりすぎると、全員ができなかったり、ストップしてしまう可能性があります。 「チャレンジ面談」は毎月継続して行うことが重要です。 長くても1項目あたり2~3分と考え、15分程度で終わるように計画的に実施しましょう。
「チャレンジ面談」が終わったら、必要があれば「チャレンジシート」を修正したうえで現場で課題や改善にチャレンジしてもらいます。
こうして「個人アクションプラン」推進プロセスのPDCAを毎月繰り返しながら、会社の「戦略」、アクションプランに貢献できる人材づくりを推進します。また、その成長度合いは、四半期に一度の評価で確認し、本人の成長支援を行います。