三つ目の視点は「ギャップを埋めるための課題」です。以前ご紹介した「経営計画」作成のステップの「人材育成目標」のブロックを評価基準に落とし込みます。
すでに「経営計画」づくりを通してあなたの会社の「現状の人材レベル」、「5年後の社員人材像」、「ギャップを埋めるための課題」が明確になっていると思います。このなかの特に、「ギャップを埋めるための課題」が解決できなければ 「5年後の社員人材像」は実現できません。そこで、評価制度を通じてこれを解決できるような評価基準を作成します。
たとえば、「指示されたことは行うが、自ら課題や改善に取り組む力が弱い」という現状に対して「自ら課題を発見し、改善に取り組み、業務の質を高めることができる人材」という5年後の人材像、「課題認識、発見力」「課題解決、改善力」という「ギャップを埋めるための課題」があったとしましょう。
この場合、どのような評価基準が必要か考えてみましょう。
【一般社員】
担当する業務で課題や問題点について、上司に報告することができていたか
【中堅社員】
・担当する業務で課題や問題点について、改善、解決案を考えたうえで上司に報告することができていたか
【リーダー、マネジメントクラス社員】
統括する部門の課題や問題点の改善に取り組み、効率化や生産性向上、成果を高めることができていたか
このような評価基準とすることで、評価を通じて社員全員が常に課題の発見や改善に取り組んでいる状態とすることができます。他の「ギャップを埋めるための課題」からも、「5年後の社員人材像」を見据えながら評価基準を作成してください。