評価の実施には、三つのポイントがあります。
一つ目は、評価は必ず3者(以上)で行うことです。 「本人」 「直属の上司」「その上の上司」です。
上司二人で評価を行うことによって客観性を持たせることができ評価結果の納得度を高めることができます。また、自己評価を行うことで自分自身の現状の仕事レベルを適正に把握できる力を身につけてもらいます。「3者(以上)」としたのは、4者(上司3人)で評価を行った方がより、客観的かつ納得度の高い評価結果が得られる場合があるからです。具体的には、小さな会社で、きちんとした組織階層や命令系統が確立されていないところや、評価期間の途中で異動があり、二人の上司についた場合などに実施するとよいでしょう。
二つ目のポイントは、3者がそれぞれ個別に評価を実施するということです。
一般的には、一枚のシートを使って評価を実施する場合が多いようですが、これはオススメできません。 本人が自己評価を行ったシートを上司に提出し、これに一次評価者、二次評価者が評価を書き込む方法だと上司の評価が自己評価に影響を受けたり、一次評価者の評価に二次評価者が合わせてしまったりということが起こりがちです。こうなってしまうと、自己評価を高くした人の方が評価がよくなるなど、適正さを欠いた評価結果となり、納得度も低くなります。
三つ目は、必ず評価項目ごとに判断理由を記入することです。
なぜ「A評価」としたのか、「C評価」となったのは何ができていなかったのかをリーダーに明確に
記入してもらいます。そのためリーダーは、部下の業務をしっかり観察し、把握しておく必要があります。 これが部下とのコミュニケーションの量や、指導の機会の増加につながり、リーダーが育成指導力を身につけることができるのです。
評価は「評価シート」という記入用紙に、3者が個別に行います。 全員の評価が出そろったら3者の評価をまとめた「育成シート」を作成し、これをもとに次のステップ「育成会議」を行います。