そして、この「チャレンジ目標」も個人のアクションプランと同じように毎月の面談を行い、進捗状況を確認、支援をする必要があります。 面談の進め方は個人アクションプランと同様です。「個人アクションプラン」を「チャレンジ目標」に置きかえて進めてください。
繰り返しますが、面談は毎月確実に実行することがポイントです。 「個人アクションプラン」「チャレンジ目標」の両方で一人あたり15分程度で終わるように工夫しましょう。
以上が「評価制度」の人材育成五つのステップです。 これを徹底して繰り返し実行することで理想の人材を育成していくのです。
あらためて、このステップを評価制度運用のPDCAサイクルにまとめてみると、こうなります。
〈「評価制度」運用サイクル〉 (PDCA③)
<1> PLAN(計画)
<ステップ4> 目標設定
↓
<2> DO (実践)
成長目標に向けたプロセス実践〈ステップ5〉 チャレンジ面談
↓
<3> CHECK (効果検証)
<ステップ1> 評価の実施、〈ステップ2〉 育成会議
↓
<4>ACTION(改善・見直し)
<ステップ3>育成面談
この五つのステップを、評価の手順をわかりやすく示すために 「CHECK(効果検証)」にあたる評価から順を追って説明しました。しかし、この五つのステップも、PDCAを通じて人材を育成するサイクルに他ならないのです。

●「人材育成」のサイクルを仕組み化しよう
会社の「経営計画」を実現するための人材育成方法についてお話してきました。
この人材育成には二つの流れがあることがご理解できたかと思います。一つが「戦略」「アクションプラン」実行の流れ、もう一つが「評価制度」を通じた「人材育成」の流れです。 もう一度確認しますが、人材育成の取組みは次のような流れで社員へと落とし込まれています。
・全社目標→戦略→アクションプラン→個人アクションプラン
・目標・戦略・目指すべき人材像・行動理念→評価基準→評価→チャレンジ目標
流れのいちばん上流を見てください。
どちらも目指すべきゴールから始まっていて、その出発点はいずれも「経営計画」に盛り込まれているものです。 下流の取組みがきっちり行われていることで、組織全体がゴールに向かって動いていきます。
すなわち「アクションプラン」と「個人アクションプラン」「評価制度」の三つのPDCAがきっちりまわっている状態です。 これを実践することで、社員は会社が求める人材レベルに向けて成長しながら目標に貢献できる人材へと確実に成長していきます。
まずはあなたの会社のため、社員のため、その家族のため、 あなたの会社とお付き合いがある取引先や関係者のため、そして地域や社会のために、早速取り組みをスタートさせましょう。
あなたの決意と第一歩が、中小企業を元気にし、日本の未来を明るく照らすきっかけとなり、大きな力となっていくことは間違いないのですから。